◇8

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 バイトと学校、次の日は休んだ。    顔に絆創膏貼る日が来るとは思わなかった。    幼い時分、転ぶときに手を使わず二針縫って以来だ。    弁慶の泣きどころは両方あざだらけで、うっすら青みがかっている。    これが、ど紫になり、青に移り、黄色くなってからようやく消える。    いったい、あたしがなにをしたというのか。    神様というものがあるなら、何故こんな目に遭わせる?    携帯は電源を切らしたまま。    アパートを、顔を覚えられた可能性が怖い。    水を飲むのにも手が震える。    さあ、あたしは部屋を出ることが出来るのか?    こうして、布団の上で寝ているだけで、からだの細胞は持ち主と違って懸命に働いている。    ふと、台所に目が行った。    引き出しを開けたい衝動に駆られる。    でも駄目だ、と思い直す。    暗闇をぎらつかせる刃物の正体。    それはあたし自身でもあり、彼らでもある。
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