Flag=Destiny

1/1
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/302ページ

Flag=Destiny

この世には《フラグ》と呼ばれる物がある。 映画や小説などで伏線と呼ばれる物だ。 例えば戦争モノの映画で、「俺、この戦争が終わったら、彼女と結婚するんだ」とか、「ここは任せて先に行け」などと口にしようものなら、その人物は大抵死ぬ。更には、ペンダントに入っている恋人の写真を眺めたり、「これが最後の一本だぜ」などと言ってタバコを口に咥えようものなら、これはもう致死率百%のフラグである。誰がなんと言おうと絶対に死ぬ。 これらはいわゆる《死亡フラグ》と呼ばれ、一般的にこのような状態は《フラグが立った》と表現される。 一度フラグが立ってしまえば、それを避ける事は不可能に近い。それは単なる物語上の創作ではなく、現実の世界にも当てはまる事である。 そのため人々はフラグを、神から与えられた《運命》と呼んだ。 …だが、その運命をへし折り、人々に幸福をもたらす事を使命とする者達がいた−
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!