エピローグ 新たな門出

4/4
198人が本棚に入れています
本棚に追加
/158ページ
「だってお前、前回の依頼で俺にツチノコを捕まえさせようとしたけど、正体はただの太ったマムシだったじゃねえか」  恭はなおも無表情で与一をぐいぐいと玄関に追いやった。 「こ、今度こそ大丈夫だよ! 聞いてくれ! 梅小路公園に猫又が一匹出たらしいんだ!」 「……猫又が?」   恭はピタリと動きを止める。与一の口元に勝ち誇った笑みが広がった。 「喰いついたな。よし。今夜一緒に現地視察に行くぞ」  こうして、二人の若き陰陽師はまた新たな怪異に挑むことになったのである。  現代を生きる転狐、恭の挑戦はまだまだ始まったばかりであった――。 (おわり)
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!