それぞれの想いが交錯する文化祭

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2年S組の出し物が決まった夜、巽は部屋で頭を悩ませていた。 「眠れる森の美女の城をベースとした脚本を書くのはいいんだけど…」 彼を悩ませているものは、 「どんな結末、にするかだよなぁ」 結末であった。 さっき、会長に出会した時会長は「ハッピーエンドがいいだろう」と言った。 人それぞれ、ハッピーエンドの捉え方は違う。 きっと、会長にとってのハッピーエンドは王子と姫が結ばれること。 なら、俺にとってのハッピーエンドは? 「ーーーあぁ!!考えるの疲れたー!!!!」 自分の部屋から出ると、巡がリビングでくつろいでいた。 「さっきからうるさいよ」 聞こえていたらしい。 「ごめんww脚本考えるのって、難しいんだねww」 「あー、そうだな。でも、お前らしさ全開の脚本でいいと思うぞ」 巡の言葉にすとん、と腑に落ちた巽は大きく頭を振る。 そっか。 そうだよな。 俺は腐男子だ。 なら、俺らしい脚本を作ればいい。 「そうだよな!ありがとう!」 「…どういたしまして」 後ほど、カオスな脚本が完成し、余計なアドバイスしなければよかったと後悔する巡の話はまた今度。
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