2度目の初恋も君とがいい

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「最後ってそういうこと……」 「千花、空港行けよ」 明日汰があたしの腕を引っ張る。 「だって、何も聞いてない」 2人には話していたのにあたしには話してもらえなかった。 いつもあたしのほうが永人のことを知らない。 「千花、追いかけなさい」 目の前にきた日奈子があたしの肩をつかむ。 「来て欲しくないから言わなかってんでしょ?」 あたしが行くことで嫌な想いをさせたくない。 知らないで昨日だって普通に話して、好きだって思って。恥ずかしい。 「違う!永人は千花のこと大好きだよ!」 涙を瞳にいっぱいためた日奈子が叫ぶ。 「……日奈子」 「これ、永人のこと好きだからとかじゃないから!ただ悔しいの!」 「……悔しい?」 「永人と千花が付き合ってるってなってたとき、どうして誰にも何もいわれなかったかわかる!?」 「……え?」 ただ理解されているもんだとばかり思っていたけど、違ったの? 「全部永人が阻止してたの!そんな人、本当は何人もいたよ」 「……うそでしょ?」 永人が知らないところであたしを守ってくれていた事実に胸がぎゅうっとなる。 「なんで、そんなことをしていたわかる!?」 「……なんで?」 「昔から千花のことが大好きだからだよ!」 「……昔?」 あたしと永人が出会ったのは2年になってからなのに「昔」という意味がわからなくて、首を傾げる。 「あとは本人から聞くべき!行かないと絶交するよ!」 あたしの腕を引っ張って廊下まで連れていく。 「わかった。行ってくる」 こんなにあたしのことを応援してくれている親友のためにも後悔だけはしたくない。 日奈子の言っていたことにはイマイチ自信は持てないけど、それでも話だけはちゃんとしたい。 昨日瑠衣くんが言っていた当たり前がなくなってしまう前に。
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