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「なぁ、俺のクッキーあけた?」
ホワイトデーの日。
学校に着くなり珍しく先にきていた明日汰が聞いてくる。
「明日汰今日早いね。クッキー……あ、見るのわすれてた!」
「ちょ!早くみろって!おかしいと思ったんだよ、見たらここにいるわけねーもん」
「ええー?そんなに来たくなくなるようなもの入れたわけ?」
カバンにそのまま入っている缶を開ける。
「絶対にここにいたくなくなるはず」
「なにそれ?」
不思議に思いながら開けるけど、包み紙を剥がしてもでてくるのは普通のクッキーの缶でどこにも学校にきたく無くなる要素が見当たらない。
「ちゃんと中見ろ」
「中?」
缶を開けると中にはクッキーが入った袋。
明日汰の言うようなものはなく疑問に思いながらも、クッキーの入った袋を持ち上げる。
「……?」
袋の下にはなにやらメモ帳のようなものが入っていて、なんだろうも思いながらも2つ折りにされたその紙を手に取って開く
「……え?」
開いた紙には明日汰の書いた文字があって、その内容に自分の目が見開いていくのがわかる。
「千花、行かないの?」
「どういうこと……?だって昨日の夜だってそんな事……」
日奈子が声をかけてくれるけど、困惑して頭がいっぱいいっぱいになっている。
──3/15 11時 アメリカ行き 永人
そう書かれていたメモ。
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