2度目の初恋も君とがいい

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「永人!」 空港について、ゲートの列に並んでいる永人の背中をみつけてさけぶ。 「千花……?」 目を見開いてあたしを見つめてから、列から抜けて歩いてくる。 「どうして何も言わないで行っちゃうの!?待っててって言ってくれないの!?」 待っててだなんて、そんな約束めいたこと好きじゃないと普通は言わないってわかってる。 永人はそんな言葉用意してなかったのかもしれないけど、あたしはその言葉が欲しかった。 そうしたら何年だって待っていられる。 「そんな俺の勝手で縛るようなこと言えねーよ」 永人はいま「言わない」じゃなくて「言えない」と口にした。 「永人!永人が好き!」 「あー、もう!なんで俺をかき乱すんだよ。せっかく決意したのに」 ガーッと自分の髪の毛をかく。 「……永人」 「一生言わないつもりだったんだ」 「……うん」 永人が近くの椅子に腰をかけるから、あたしもその隣に座る。 「千花のことが好きだ」 膝の上においたあたしの手をぎゅっと握る。 「……っ」 その言葉を聞いた瞬間言いようのない気持ちがこみあげてくる。 あたしいま、嬉しくて嬉しくて仕方ないんだ。 「俺と付き合えばいつか千花が苦しむことになるって思った」 「あたしが苦しむ……?どうして?」 あたしは永人のことご好きなのに、その好きな人と付き合って苦しむだなんて、どんな想像をしたらそうなるのか不思議だ。
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