44人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「まあ、そうだけど……だから何よ」
「いや、だから」
頭を掻いて目を伏せる茂木。
「だから?」
思わず眉間に寄せたシワはかなり深い。
キレイなんて言葉どこへやら。
まさか本当に呪いかよ。
「いや、だから。想い過ぎたなって」
オモイスギタ?
重い過ぎた?
ああ『想い過ぎた』か、と頭で変換するまでやや時間が掛かる。
「想い過ぎたって何が?」
「だから、俺がお前の事想い過ぎたってこと。まあ、直んなかったら責任とってやるから安心しろ」
「……は?」
「いや、だから……俺、お前の事……好きだから、つい想い過ぎた」
茂木の言っている言葉を理解出来ずに思考が固まる。
「茂木ぃ!いつまでサボってんの、早くこっち来て手伝えって!」
遠くで片谷くんが茂木を呼ぶ。
「おう!今行く!」
大きな声で片谷くんに返事をしながら手を振る茂木。
最初のコメントを投稿しよう!