シベリアンハスキー

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「まあ、そうだけど……だから何よ」 「いや、だから」 頭を掻いて目を伏せる茂木。 「だから?」 思わず眉間に寄せたシワはかなり深い。 キレイなんて言葉どこへやら。 まさか本当に呪いかよ。 「いや、だから。想い過ぎたなって」 オモイスギタ? 重い過ぎた? ああ『想い過ぎた』か、と頭で変換するまでやや時間が掛かる。 「想い過ぎたって何が?」 「だから、俺がお前の事想い過ぎたってこと。まあ、直んなかったら責任とってやるから安心しろ」 「……は?」 「いや、だから……俺、お前の事……好きだから、つい想い過ぎた」 茂木の言っている言葉を理解出来ずに思考が固まる。 「茂木ぃ!いつまでサボってんの、早くこっち来て手伝えって!」 遠くで片谷くんが茂木を呼ぶ。 「おう!今行く!」 大きな声で片谷くんに返事をしながら手を振る茂木。
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