先生が私の家に初めてのお泊まり_1

1/4
7164人が本棚に入れています
本棚に追加
/453ページ

先生が私の家に初めてのお泊まり_1

 一週間の始まり月曜日。休み明けなのに、私の心身は疲れていた。 土曜日に初めて桐木先生の家にお泊りして、そのまま先刻(さっき)までずっと一緒にいた。寝不足気味の気怠さを引きずりつつ、私は体に染みついたルーティンでいつも通りに出勤した。  始業前のミーティング後、真由が「今日お弁当? 無いならランチは外に行かない?」と誘ってくれたので、二つ返事した。私も森林さんに頼まれた合コンの件を相談したかったし、今日はお弁当を作る余裕がなかったから。  昨夜は、息が出来ない位に愛撫されて痴態を晒して、普段なら恥ずかしくて言えないような事を口走っていた。体のあちこちが痛い。本当に忘れて欲しい。 私も忘れよう!そう思ったせいで、却って桐木先生が私を見下ろす視線を思い出してしまった。  先生の舌が指が、私の体に優しく触れるあの感覚  他人の前では見せない先生の甘ったるい表情  私を翻弄して悦んでる先生の低い声……  ……次の瞬間、持っていた鉛筆が私の手から滑り落ちた。青の色鉛筆が、ころころとオフィスの床を転がっていくのを目で追った。拾いに行かなくちゃいけないのに足が動かなかった。  最低だ、私。  ミスが無いか精査してたのに。  仕事中に彼氏の事を思い出してたなんて。
/453ページ

最初のコメントを投稿しよう!