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雨は相変わらず吹き抜けのガラスを叩く。「帰りましょうか」という紫音の後に着いて歩く縁は、心から愛おしそうに紫音の手を取り、小さく呟いた。
「あなたは縁を照らすSHINE…」
「何か言った?そうだ縁、お茶飲んで行かない?ここの食堂、安いのに無駄にオシャレで美味しいのよ。パパが病室よりも食堂にお金をかけたって…タルトが美味しいよ、行こ」
「はい。雨がやむまで一緒に…」
院内食堂のおかげでもう少し紫音と一緒にいられそう。縁は、紫音の父の独断と無駄遣いに密かに感謝していた。
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