ハミング

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Tシャツにジャージという服装で 階段を降りてごみを捨てに行く そんなときに ふと明け方の月が見られることがある 今日も早起きしたなあ などと考え 朝の新鮮な空気を吸う いつしかごみ出しは私の一日の始まりの儀式になってしまった うたうように暮らしていたい と いつもいつでも思っている ただし 私は音痴なので いつもハミングだ ああ今日も鳥たちのうたが聴こえる 昔は私も 鳥だったのかもしれない 何かしらがあって 飛べなくなってしまった私の体 ハミングしながら暮らす この小さな日々も悪くない すべてが穏やかに 丸い輪郭に (すこしはみだすことはあるけれど) 収まっていく感じがする このアトリエでのちいさなつつましやかな生活が 私は死んでしまいたいくらい好きなんだ だからもう 命をかけてまでアトリエから出たくない 少し気弱になっている自分には 自分のご機嫌取りにハミングが必要だった それしかなかった そういえば 明日はカンとビンのごみの回収日だったことを思い出していた
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