生徒会長誕生

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「遠慮しとく。 負け戦だと分かっているのに 誰がわざわざそんな物好きな事するか」 それとは対照的に 下らないと吐き捨てた現副会長こと 二年の竜胆 和真(りんどう かずま)。 誰もが一目置く冷静沈着さと何より その辛辣な物言いにたじろぐ者が多いが、 彼は闇雲にそんな口をきくわけでないことは 誰よりもこの僕が知っている。 「竜胆先輩だって凄いですよ! カッコイイし頭良いし尊敬しまくりです、俺」 「会長の次に、か?」 「え?いや、あの……えっと……」 「もう良い、それ以上続けるようなら 会計の役は別に頼むことになるかもな、 候補は沢山いる、だよな?会長」 僕が無言で同意するするように 各部活から提出された予算希望書類を 机で軽く音を立てながら整えると、 柊木は慌てて飛び上がった。 「ち、違います! いえ、違わないんですけど……。 ああ、ただただボクの中で 会長は会長しかいません、 そう言いたかっただけで」 「柊木、其の辺にしとけ。 本当に紅螺蒔から解雇して欲しいのか?」 竜胆の一言が余程効いたのか アワワと涙目で僕に助けを求めてきた。 「紅螺蒔会長~~~ そんな事しませんよね?ね?」 しないよ、と笑ってみせれば、 案の定、会長やっぱり尊敬してますっ! 大袈裟なほど喜んで、じゃボク教室に 戻りますと逃げるように出て行ってしまった。
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