2201人が本棚に入れています
本棚に追加
/732ページ
もしかしたら尚史もこんな気持ちだったのかな。
今朝私がここに来たとき、尚史は私が来なかったらどうしようかと思っていたと言っていた。
ゆうべ私が尚史と水野さんのことを考えて、胸がモヤモヤして苦しくてなかなか眠れなかったように、尚史も私に嫌われたらどうしようとか、新居に来ないかもと不安で眠れなかったりしたんだろうか。
負けず嫌いで意地っ張りな私は、いつも素直になれなくて、尚史を不安にさせてしまう。
それなのに尚史はいつだって私に目一杯優しくしてくれて、気持ちをまっすぐ伝えてくれる。
私もこれからは意地を張らず素直になって、尚史にもっと優しくしよう。
なんと言って謝ればちゃんと仲直りできるだろうかと考えながら寝室のベッドで横になっていると、脱衣所のドアが閉まる音がした。
お風呂から上がってきたはずなのに、しばらく経っても尚史は寝室に入ってこない。
何をしているんだろう?
私はベッドから起き出し、寝室を出てリビングを覗いてみた。
尚史はソファーに横になってぼんやりしている。
そして何度も大きなため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!