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「まったく、何考えてんだ!」
保健室のベッドに腰掛けながら人間の在真は人狼の士門を怒鳴りつけた。
キャスターの付いた台を移動する音がする。治療キットの乗ったその台をベッドの横につけ、士門は近くの椅子に腰を下ろした。
「お前の骨が弱かったんだろう?」
在真の利き手である右手を顎で差しながら、士門はサラッと言ってのける。
「はあ?」
まるで自分自身が弱かったと言われているようで腹立った在真は眉間に皺を寄せ、士門を睨み付けた。
「そもそも決闘を挑んできたのはお前だ」
治療キットの中から固定材や包帯を出しながら士門は変わらぬ口調で言い放つ。
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