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「おはよう!」
男らしい張りのある声に心拍数が上がった。振り向けば優しい笑顔が私だけを見つめている。
周りの女子社員たちが私たちを見ているのはわかっていたけれど、私はしっかりと顔を上げた。今日の前髪は真ん中分けで、おでこ全開。
「おはよう、梶原くん。おかげさまで大人ニキビ治ったよ」
「良かったね。じゃあ、お祝いにラーメン奢ってやろうか?」
「それもいいけど、明日二人でピクニックに行かない? お礼にお弁当作るから」
「え……二人で? いいの?」
「うん、梶原くんと行きたいの」
梶原くんの戸惑ったような顔が、満面の笑みに変わっていく。
私がこんな勇気を出せたのは、きっとキレイの魔法のおかげだね。
END
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