第十四章 ハーメルン 四

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 美浦は、予告なしにプレゼントを送り付けていたので、送り主が美浦になっていれば、箱を受け取るだろうと、西海が提案したらしい。  でも、眠っている時に箱詰めしなくてもいいだろう。ちゃんと説明してくれれば、俺は協力する。  箱の上には別のぬいぐるみがあって、横に毛布もあった。ラッピングはされていないが、首にリボンがついている。今は苦しいので、完全に頭を被っていないが、開く前に準備しておこう。  ダンボールに穴を空けて、外を見てみると、他の荷物と一緒にされていて、本当に宅急便で送っているらしい。割れ物とか、取扱注意のシールが、ちゃんと貼ってあるのか不安になるが、今まで眠っていられたので、それなりの扱いはされている。  酸欠で死んだらどうするのだと、文句を言おうとすると、小さな酸素ボンベも一緒に入っていた。  しかし、俺の扱いが、あまりに酷い。 『すまん、夏目。次の被害者も出てきて、これ以上増やしたくない……』  第四段階に接触した子供には、ワクチンソフトを使用して貰った。知識を購入した者も特定し、同じくソフトで中和している。  だが、走っている車から運転手が消えるという事故が、連続して発生したという。無人で走っていたにしては、信号等で止まっていたという証言もある。 
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