秘密のオフィスラブ

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秘密のオフィスラブ

   なんだ。私、課長のことが好きだったみたい。泣きそうなぐらい嬉しいんだもの。  コクコクと頷く私を見て、課長も嬉しそうに笑った。  フルコースの締めくくりは、デミタスコーヒーとプチフール。可愛いラズベリー色のマカロンを口に入れると、上品な甘さと仄かな酸味が口の中に広がった。 「やっと笑ってくれた。いつも眉間に皺を寄せて仕事してる小暮が、岸田と雑談する時は可愛い笑顔になるのを見てから、ずっとモヤモヤしてたんだ。いつかあんな笑顔を俺に見せてほしいって」  課長の蕩けそうな笑顔だって、かなりの破壊力だ。  それにしても、私っていつもそんなしかめっ面で仕事していたのかな? 「課長、人間って、やっぱり褒められると嬉しいじゃないですか。自分の頑張りを認めてもらえたら、自信がついてもっと頑張れる。そういうものだと思います」 「だから『小暮はキレイだ』って、さっき褒めたじゃないか?」 「そのことだけじゃなく! 仕事ももっと褒めてください。毎日ネチネチと責められてたら、経理が嫌になって異動願い出しちゃうかもしれないですよ?」  ちょっと脅しを掛けてみただけのつもりが、話は意外な方向に進んで行った。
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