帰れない夜、戻れた星

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僕が15のときの話をしよう。 ◇ みんなで登山に行った日、僕は一人はぐれてしまった。 辺りはもう薄暗くなってきて、どうしてここを歩いているのか朦朧とし始めていたときだった。 木の茂みがザザッと揺れて、何か生き物が飛び出してきた。 一瞬、身構えたのだけれど、僕の目の前にいたのは、白に茶色いぶちのある猫だった。 ちょこんと座ってこちらを見ている。 なんでこんなところに?  僕のほうを訝し気に観察しているのだけど、目が丸く垂れていて、困り顔に見えるので怖くない。むしろ可愛い。 僕はブサイクと呟いてから、可愛いと笑った。 こんなところに猫がいたことに驚いたけど、それよりもほっとした。
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