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この子もお腹が空いてるのかな。
「おいで。おいしいものをあげるよ」
ポケットを探るとチーズが入っていたので、舌打ちをして呼んでみる。
来ないかな。山の中の猫なんて、町中の猫より警戒心が強そう。だけど、山猫には見えない。もしかしたら、思ったよりもここは人里が近いのかもしれない。
しばらく観察していると、向こうも僕を睨むように見ていた。
しばらく見合って両者一歩も引かぬ状態になってしまったので、僕は仕方なく歩き出した。そうするとゆっくりだけど、着いてくるのがわかった。
僕は立ち止まって、差し出すけど、人の手からは欲しがらないようだ。
チーズを細かく裂いて、道の途中に置いた。
「ゆっくり食べなね。僕は先を行くから、安心して」
振り返らないで、先を歩いた。
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