プロローグ

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プロローグ

くるくるとシルバーブルーのボールが生き物の様に、彼の手のひらで動く。ピタリと動きを止めると同時に、左手から右手へ足元へ緩やかに半弧を描く様にボールが移動する。 来る!私はひゅっと息を止めた。それから、瞬きも止めた。 ふわり浮き上がり、空中で一瞬時を止める。 何もない場所に影が現れる。 ザッと心地好い音がしてボールが地面をバウンドし、キラキラと転がった。 一瞬、私を 見下ろしたと思った人は何もなかったかのように目の前に下り立った。 あんな風に跳べたら、世界はどんな風に見えるのだろう。 私はあの日、生まれて初めて空を飛べる人に出会った。
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