現実のファンタジー

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ミーンミーンと部屋の外から煩わしい蝉の声が響く。 カーテンを締め切っていても、蝉の声は止むことはない。 僕は構わず、ベッドに横たわったまま、スマホでゲームをしていた。 今年の夏は、長梅雨のせいもあり、いつも雨が降っていたけど、八月にもなると、日照りが続いていた。 それでも僕には関係ない。僕は折角の夏休みだし、ゲームをしていられる時間はずっと画面に齧り付いているだけだ。 ゲームの中で、ソロではクリア出来ないクエストが出てきた。 「あー、くそ! 誰かインしていないかなー。みんな会社かなあ……」 僕のやっているゲームはほとんどの知り合いが成人していて、昼間はインしていない。 「そういえば、マルモさんは学生じゃなかったっけ」 そう思って、個人チャットをゲーム内で送ったが、レスはなかった。 仕方ない、と思いながら、別のゲームをしようと他のアプリに切り替えた。
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