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本当にろくな人生じゃなかったと思う。
俺を生んだ両親はそれこそクズの具現化みたいな人間で、遊び呆けた挙句、育児放棄され、邪魔だと言われ施設行き。
学生時代もそれは悲惨なもので、小学生時代から虐めの標的。助けてくれる者等おらず、教師は見て見ぬ振り。結局中学までいびり続けられた。
高校に上がってからは、虐め野郎と違う高校になれたものの、目立たぬよう、何事においてもしゃしゃり出ぬ様、地味に生きていた。
だが、友人が出来た。
物腰の柔らかい、穏やかな男だった。一人でいる俺に笑い掛け、辛抱強く一緒に居てくれた。
信頼していたのに、それも簡単に裏切られたと気付いたのは俺の居ない所で他の生徒達と俺の事を馬鹿にして笑っていた時。
その後、他人を信用しないと生きていたが、それでも俺を愛してくれる女性が現れた時、ここからが人生なんだと喜んだ。浮かれた馬鹿な俺は会社の同僚と親しくなってしまい、飲み仲間、また友人として付き合ったが、その男と愛する女性がセックスしているところを見てしまう事となってしまった。
また裏切られた。
結局俺は1人だったのだ。
死んでしまおうか、とも考えて仕事を辞め1人アパートに引き籠もっていたのだがそこで俺は運命を見つけた。
『もぉー許さないっ!私達、プルルンパフェーずがやっつけちゃうんだからっ』
子供向けアニメ、プルルンパフェーず。
欲望の塊である悪の化身と必死で戦う姿。時に仲間達と意見の違いにぶつかりながらも絆を深め、敵であった者と心を通わせてみたり。
気付くと毎週観てしまっていた。
そして、信じられるモノは一つ。
金とアニメになったのだ。
あ、二つだった…。
まさ、それは置いといて。
兎に角、俺はオタクへと成り果てた。
必死で働き、金を貯め、オタク活動の資金として使っていく。
でも楽しかった。好きな アニメのキャラクターのイベントへ行き、DVD、グッズを集め、中の人を愛し、ネットからの情報をロム専で読み漁る。SNSなんて皆無だったのに、必死でアカウントを作った。
そうして、今日。
大好きなプルルンパフェーずのパフェパフェ戦士達のデビューアルバムイベント。
心躍る気持ちで会場に向かっていたのに。
あっと言う間に、
歩道に突っ込んで来た車にぶちあたられた。
そうして、目が覚めた所は。
「何、ここ…え?花畑…」
あー死んだんだ…。
つか、何で今日なんだよ…せめてイベントが終わってからでも良かったじゃないか。
しかも今日は俺の34回目の誕生日でこれが天からのプレゼントだと思っていたのに。
「…本当クソみたいな人生だったなぁ…」
花畑にごろっと寝転がり、さてどうなるのか、なんて思っていたら。
パンパカパーーン★★
ピッロリーン
「…は?」
何だ、この頭悪そうな音。
【こーんにちはー★ちゃーんと意識ぃ、ありますかぁー? 】
「…は?」
【どーもぉ!私ぃ、この世界を支配しております、そうですねぇーあなた達が言う神様みたいなものでしょうかぁー 】
「神様…? 」
【そうでーす★ちょっと姿は見せられないので、お空の上から声だけでごめんなさいねぇー】
「は、はぁ…」
【実はぁ、今回貴方の一生があまりにも悲惨だったのでぇ、新たな人生を与えようと私がやってきたのですっ!!すごいでしょ!楽しみでしょー★」
「え、…は、はぁ…」
【むぅー!もっとテンション上げて欲しいとこだけどぉ、時間も無いし、いっちゃおう!!】
本当に…?
俺、本当に新しい人生が貰えるのか?
俺の人生…
ヤバイ、ときめく心を抑えられない…!!
【じゃ、まず貴方自身の設定を選んじゃおうね★】
「設定?」
ピコン★
次の項目から好きな設定をお選び下さい。複数 可
●総受け
●平凡受け
●男性妊娠
●男前受け
●強気受け
●オヤジ受け
●その他(希望を受け付けます)
………は?
【ちゃっちゃっと選んじゃって下さいねぇ!まだまだ選ぶ事あるんですからねぇ】
いや…
「いやいやいやいやいやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
何これっ!!!!?
受けって何ぃ!!?
いや、知ってるよっ!?受け位はにわか知識なりに知ってるけどもぉ!
でも、これあれでしょお!びーえるっやつでしょお!
【えー何か問題でもぉ?】
「むしろ問題しかないわぁ!!!何これっどういうことぉぉぉ!?」
【貴方はーBLの主人公に選ばれたんですぅ♡おめでとうございまーすぅ。pi〇ivとか色んな小説サイトで生きていけますよぉ】
「初耳ぃ!」
【もぉー選ばないなら私の独断と偏見で選んじゃいますよぉ】
「はぁー!?待って、待ってぇ!!」
ピコン★
次の設定から好きなお相手の設定をお選び下さい。複数ry
●美形攻め
●溺愛攻め
●執着攻め
●ヤンデレ
●ヘタレ攻め(でもS)
●近親相姦兄攻め、弟攻め
●複数攻め
●その他(希望を受け付けまry)
「え、ちょっと…!ま、待ってぇ!攻めって何ぃ!?」
やっぱり相手って可愛い女の子じゃないのぉ!?
攻めって…攻めって…!!
もう本当にBL決定なんですかねぇ!!
この際女の子に生まれ変わって百合とか、ガールズラブじゃ駄目なんですかねぇ!!
【えー選べないですかぁ?じゃ、こちらも私が選んじゃいますねぇ♡ぐへへ】
「ぐへへ!?ぐへへって言った!?ゲスい笑い声すぎんかぁ!?」
【はい、次ぃ★】
「選択って意味ぃぃぃぃ!ぐぐれぇ!!」
ピコン★
シチュエーション、その他設定をお選び下さい。複ry
●♡喘ぎ
●メスイキ
●結腸攻め
●絶頂快楽
●汚喘ぎ
●二輪刺し
●その他(希望をry)
「…いや、む、無理…無理っす…」
戦意喪失ってこういう事なんだな。
【え、何が嫌なんですかぁ!項目足りないなら、希望も受け付けるんですよぉ。あ、淫乱とかつけます? 】
「問題そこじゃねぇよっ!!」
【もぉ、じゃ名器をつけましょう。極上のやつにしてあげます!縦割れケツマ○コとかいります?あ、ケツアクメがいいかなぁ】
「いるかぁぁ!!!!!!」
【あ、でもリバは無いのぉ。私苦手でぇ…ごめんねぇ。地雷って言うか…】
「聞いてねぇよ…!!」
何、この神様っ!!神様つーか、絶対悪魔じゃんっ!魔王じゃんっ!!!この花畑に似合わない事平気で言っちゃうじゃんかっ!!!お前自身が地雷だよっ
ピコン★
お時間です。
貴方が亡くなられて100年経ちました。
「…へ、ひゃ100年…?」
【ここの時間は進み具合が全然違うからねぇ★貴方が生きていた頃の交友関係があった人間達もとっくに死んでるよぉ】
「そ、そう、なんだ…」
ピコン★
手続きを開始致します。
「はっ!?手続きぃ!?」
【はーい★貴方は今から生まれ変わります!新しい人生、楽しんで下さいね♡」
「楽しめるかぁぁ!!」
何をどう楽しめとっ!!
地獄じゃんっ!これ、このままだと絶対に地獄じゃんっ!!
【次は、 】
「え」
【次は、周りを見て、誰がどうあったのか、理解出来るといいですね。お相手も貴方に対して素直になれると思います】
どういう意味だ?
眩しい光が俺を包み込み、周りの花畑も消えていく。
待って、まじで!
俺、次は…次は…!!
「愛されたいっ…!!!」
俺の声は聞こえただろか。
何となくだけど、あの神様って言うのが鼻で笑った気がした。
何を今更、と。
***********
は?虐めてた…けど、でもそれは…!アイツが俺の事無視するしっ!俺はこんなにアイツの事ばっかり考えてたのにっ!俺ばっかりずるいじゃんかっ!アイツにも俺を見て欲しかったっ
あー…彼には僕だけ居ればいいんですよ。他の人間なんていらないんです。
俺だけに縋って、泣いて、笑えば良かったのに。
中途半端に構ったからかな…他の奴らまで彼に興味を持ち始めて…本当うっとおしかった…
アイツ馬鹿だからさぁ、女なんかにホイホイ騙されて。アイツの事分かってやれるの俺だけだったんだってぇ。
だから、邪魔な女を遠ざけようとしてやったのに…。
いつの間にか逃げてた…。次見つけたら…あぁ、どうしようか…。考えただけでゾクゾクする…。
生まれ変わってみたのに、しっかり記憶があるってどういう事よ。
そんで、たまたま見かけたとか、通りすがりとか、俺の友達の知り合いだとか、そうやって見つけてしまった、男達。
何故に、こうなるのかなんて思いながら、俺は愛される覚悟と言うのを知った。
いやいや…神様…確かに愛されたいとは言ったけども。
「ないわー…」
生まれ変わった意味って…見出すもの、なんだろうな…
完
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