2020年11月9日(月)

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結果として今が有るのだとやっと、悟った。 (なれば此度も俺の()か) またひとつ喪った。 己の生きた時代もそうだった。 流される侭にしか進めず、伝わるのかどうかも解らない(手紙)で意志を伝えた。 が────伝わらなかった。 見たくはなかった最悪が 絶望が、何年も己を苦しめた。 与一郎「……済まない」 忠興「えっ…?」 与一郎「俺も再び、過ちを犯す所だった」 忠興「あやまち?」 与一郎「刃を向ける相手を見誤った」 忠興「其れは…僕が先に向けたから」 与一郎「()きたい事がある」 忠興「……言えない」 何がと言わず、首を左右に振る。 暴かれている。 其れは忠興にとって、今だけではなかった。
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