ストーカー

1/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「おかしいのはわかってるの。でも、とめられなくて。だって好きなんだもの」 親友の美咲が私にそう言った。 ストーカーをしてしまうという相談だって。 盗聴、盗撮、追跡等々。 ありとあらゆるストーカーじみたことを彼女はしていた。 「何をしているのか気になるの。ずっと見ていたくて……」 涙ながらに彼女がそう言っていた。 「見て」 彼女が一枚の写真を出した。 三十代の男性が写っている。 「これは真斗さん。4月6日生まれの32歳で会社員。O型で犬が好きで好物は春巻きで……」 「……もういいよ。わかったよ。彼のことが好きなのね?」 こくりと彼女が頷く。 それからまた別の写真を出した。 「これは奥さんの百合さん。手を繋いでるのは七歳の雄太くん」 ちょっと待って、と思わず声が出た。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!