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「おかしいのはわかってるの。でも、とめられなくて。だって好きなんだもの」
親友の美咲が私にそう言った。
ストーカーをしてしまうという相談だって。
盗聴、盗撮、追跡等々。
ありとあらゆるストーカーじみたことを彼女はしていた。
「何をしているのか気になるの。ずっと見ていたくて……」
涙ながらに彼女がそう言っていた。
「見て」
彼女が一枚の写真を出した。
三十代の男性が写っている。
「これは真斗さん。4月6日生まれの32歳で会社員。O型で犬が好きで好物は春巻きで……」
「……もういいよ。わかったよ。彼のことが好きなのね?」
こくりと彼女が頷く。
それからまた別の写真を出した。
「これは奥さんの百合さん。手を繋いでるのは七歳の雄太くん」
ちょっと待って、と思わず声が出た。
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