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スマートフォンのタイマーを押すと、同時にドアが開いた。
「すみません。大変なことが起きまして」
アルバイトである氷見はバイトリーダーの水沢に声をかける。
「なんだよ、至福のひとときを邪魔しやがって」
ため息をつき、氷見を睨みつけた。しかし、彼は臆することなく続ける。
「お客さんが『例の商品』はないのかって押しかけてきて」
渋々立ち上がると、タイマーを確認した。
「よし、5分で終わらせる」
制服であるエプロンを身につけると、水沢は氷見と共に休憩室を出た。バックヤードには売り物が入ったダンボール箱が積まれている。そのダンボールの壁を抜けていき、店へつながる扉を開けた。
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