#24 未来は未定

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「なに言ってるの。早く……」 「麻紀だったら何色が似合うだろうとか、白いドレスを選ぶだけで迷って大変だろうなとか、あまりにも綺麗で誰にも見せたくなくなるんじゃないか、とか……」  二階堂に悪いな、こんなこと考えてたら。ぎゅっと手を握られて、また胸が高鳴った。 「来年中には挙げような。俺も早く、自慢の可愛い奥さんを見せびらかしたい」 「もう……」 「でも、困ったな。おまえが化けたらどんなことになるんだ?ちょっと怖くなってきた」 「化ける、って言い方やめてよ。そんなに期待されても困る」 「むしろ期待しかない。二階堂のことを言えないくらい、ずっと見惚れてるかも」 「バカなこと言ってないで早く戻ろうよ。そろそろ写真撮りたいなって思ってたの」  1ミリくらいの嫉妬心を見抜かれてしまったのだろうか。もしそうなら、ちょっと恥ずかしい、けど──。 「おまえのドレス姿、すごく綺麗なんだろうな。……やっぱり誰にも見せたくない。でも、見せたい。どうしたらいいんだ」  ビシッと決まったスーツ姿なのに、その情けない表情はなんなのよ。小さく吹き出すと、ほんの一瞬、触れるだけのキスをされた。  こんなことで嬉しくなっちゃうなんて単純すぎるかな。それにしても、わたしの旦那さんは本当にできる(・・・)男だ。
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