誰のせいかと言われたら。 〜side凛

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「で、昼ごはん初めて一緒に食べたら、その子さ、山田くんって言うんだけど、山田くん、理沙さんのお弁当に凄く凄く感動しててさ。」 「…そっか、良かったな。」 良かったな、って笑う大和がいつもみたいに後ろから僕を抱き締めながら、よしよし、って頭を撫でてくれた。 クラスの子と一緒に昼ごはんを食べたことなんて初めてで、もちろん嬉しかったけど、一番はこうして大和に誉められたかったんだ。 僕が学校の話をしたら、大和はほんとに嬉しそうに笑う。 大和のおかげで、僕の世界は180度変わった。 モノクロだった世界に、急に色がついたみたいだった。 大和が好き。 そう思うだけで、僕も強くなれる気がする。 「ちゃんと大和に言われたみたいに頑張ったんだから、もっと褒めて。」 「おー。えらいえらい。」 わしわしと大和が頭を撫でる。 「もっと。」 「凄いなー、凛。」 「…そんなんじゃダメ。…もっと。」 くるって身体を回転させて大和の方を向く。 大和の広い胸に手を当てて、そのまま頬を寄せると、大和の纏う空気が変わった気がした。 「…凛。」 どこか切羽つまったみたいな大和の声に顔を上げると、すぐに大和の唇で唇を塞がれる。 最初は短く触れて離れただけのキスは止まらなくて、すぐに長く、深いものに変わっていった。 「…っ、はぁ…大和…っ」 舌と舌を舐め合うみたいなキスに身体中が熱くなる。 大和とはこうしてたまに戯れみたいに触れ合ったりするけど、肝心なことはまだ何もしていなかった。 「煽んないで、凛。」 「むり…。…大和、もっと、」 今日は父さんの仕事先のパーティーに理沙さんも同席していて、二人の帰宅はかなり遅くなるって、大和も知ってる。 「…もっと、して。」 いつも優しい大和の瞳の奥に、ゆらって熱が宿ったみたいに見えた。
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