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本題に入ります ②
「俺、告白ってなると嫌な思い出があるんです。トラウマと言うか…」
「トラウマ?南田くんそんな酷いこと…されたのか?」
長野は少し怒ったような、優斗を心配しているような複雑な表情をした。
「以前、好きな子に告白したら、『自分より可愛い男の子とは、付き合えない』って言われて…。自分ではそんな事思ったことないのに、そうやって言われてしまうと何も言い返せなくて…。昔から皆に俺…可愛いしか言われたことなかったし…」
「……。だから、俺もそうだと思った?…」
「…正直なところ、そう思いました…」
「顔だけでここまで好きになる程、俺は浅くない」
「南田くんは不器用だし、飲み込み悪いし、時々忘れっぽいけど……」
「……。そんなにまっすぐ言われると、正直、凹みます……」
優斗は頭をうな垂れた。
「でもそれを全部帳消しにするぐらい、頑張り屋で人のせいにせず、失敗しても腐らない。俺はそこが好きだ」
!!
長野が目を逸らさず言うので、優斗は嬉しくて泣きそうになる。
こんなにまっすぐ顔じゃないって言ってくれた人…
いなかった…
こんなに俺を見てくれてるって思ったことなかった…
「だから仕事場以外の南田くんを知りたいし、そばにいたいと思ってた」
「思ってた?じゃあ以前からそう思ってくださってたんですか?」
「思ってた」
「じゃあ、どうして今なんですか?」
「どうしてって、未成年とは付き合えない」
「⁉︎」
意味がわからないと優斗が首を傾げると、
「確かに相手が18才以上になったら付き合えるけど、俺の中では南田くんが成人になるまで付き合わないって決めてたから。それで」
「‼︎‼︎」
…………‼︎
「なんですか、それ‼︎」
優斗は長野の言葉に吹き出し大笑いしてしまった。
「未成年とは付き合えないって……!」
真面目なの⁉︎⁉︎
「そんなに笑うことか?」
優斗が一頻り笑い終わると、長野はため息をついた。
「意外です‼︎だって、そんな事考えてなさそうなのに未成年とは付き合えないって………」
優斗は笑いを堪える。
「意外だって思われたのなら心外だけど、俺、南田くんのことになると物凄く真面目だし一途だから」
長野の真っ直ぐな瞳が優斗の瞳を貫く。
!!
ドキンっと優斗の心臓が跳ね上がる。
まずい……
このままだとチーフの事、好きになりそう…
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