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痛い思い出
10年前――実紀15歳
「実紀は、結局、僕のこと好きじゃなかったんだよな」
和哉はつぶやく。
「そっ、そんなことないっ」
「じゃ、僕にこんなことされても平気?」
ブラウスのボタンを外して、ブラの中に指を入れようとする和哉。
「や、やめっ」
思わず身をよじる私。
「ほら・・・やっぱり」
哀し気な顔をする和哉。
何と返したらいいか分からない。
和哉も身体だけが目的だったとは思いたくない。
けど、私は、初めての恋でそれは、怖かったんだ。
「別れよ、な」
「・・・」
これが、私、神崎実紀15歳、初恋の終わりだった。
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