麒麟の章

8/15
31人が本棚に入れています
本棚に追加
/219ページ
その日の夜、銀、朱夏、東春、冬夜、そして華月の五人は、客人用の部屋で話していた。 日継は王に呼びだされていたため不在にしている。 「日継兄さま、大丈夫かな」 心配そうな華月を朱夏が宥める。 「二人きりで話したいだけじゃないかしら。王にとっては実の兄なのだし」 「色々重たい事一気に知らされたせいで混乱してねえと良いけど」 銀の言葉に東春が応えた。 「日継の事だから大丈夫だと思うが……いずれにせよ俺達に出来るのは待つことだけだろう。自分達の心配もしないといけないしな」 冬夜がその言葉に深く頷く。 「東春の言う通りだ。俺達も神の力を自在に扱えるようにならないと……時間がそう残されていない中でどう鍛練すれば良いのか……」 五人は顔を見合わせ、同時に深いため息をついた。
/219ページ

最初のコメントを投稿しよう!