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これから
諸々の手続きが終わり、馬でブルーマイン家の屋敷に向かっている途中にミーナに学園での護衛任務について話す。
「衣食住の見返りに護衛をしているのですか。」
「そうだ。」
「これからも続けますか?」
ミーナが聞いて来たが……。衣食住はとりあえず大丈夫だ。宿を借りてセレナ様の所に挨拶をしないと。
「いや、これ以上はお世話になる訳にはいかない。」
宿を借りてシャワーを浴びてからセレナ様の屋敷に向かう。何を言えば良いだろう?ミーナに留守を頼みシャワーを浴びている間にブルーマイン家の屋敷に向かう。外は薄暗く、気温は寒い。人々が足早に帰路に着く。
『コンコン』
「セレナ様、ただいま戻りました!」
「お早いですね?トーマスは不可能ですって言ってましたが」
トーマスさん!やっぱり普通は無理でしょ。
「馬の用意は出来ましたが色々ありまして……今後のお話しをしたいのです。」
「……女の話しですか?」
セレナ様の視線が冷たい。違うから。
「本日、王城に招かれました。国王陛下に謁見した時のお話しです。」
「分かりました。大切なお話しだと思いますので両親を呼びます。それまでリビングでお待ちください。」
セレナ様の真剣な眼差しを初めて見た気がする。
「それでお話しとはなんでしょうか。」
「今日、ドラゴンを討伐しました。その報酬で馬とお金を国王陛下から授かりました。」
「⁉︎」
全員がとてつも無くびっくりしている様に見える。セレナ様の父親、グレンが重そうに口を開く。
「おめでとう」
「ありがとうございます。」
「話したいのは今後の方針じゃないか?」
「そうです。」
グレンはスッと力を抜き、柔らかい表情を浮かべた。
「まだ若い。せっかくだから学園はこのまま通い卒業した方が良い。住む場所はどうする?」
「宿は借りて有ります。」
グレンはゆっくりと口を開いた。
「早いな……」
「お世話になりっぱなしは心苦しいです。」
感謝しかない。
「護衛はもう大丈夫だ。クラスメイトとして、これからも宜しく頼む。」
グレンは悲しそうに言った。
「もちろんです。今までお世話になりました!」
ブルーマイン邸を後にしてミーナと宿の夕飯を食べる。学校側からの許可が降りたら、ミーナも学園で魔法を学んでもらう。
将来の事は、卒業近くなったら考えよう……。
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