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・・・そうか。
そうだったのか。
お前はあの時私に救いを求めてその己と、突如としてコントロールの効かなくなった化け物どもの血にまみれた手を伸ばしたのだね。
無情にもその手を払いのけ、下がる映像の中の私。
怖かったのだ、恐ろしかったのだ。頭の中に聞こえる声に従っていればよかった君がそれを失ったのが。そして怖かったのだ、従うものを失うことが。
そうか・・・。
映像の中の私が彼に背を向け走り出す。無様に転げつつ走っていく。
そう。
私は彼から逃げ出したのだ。
「ここで僕とあなたとの旅はおしまい。
そしてここからは・・・
ねえ?人間たち。
見ているんだろう?少年よ。
おいで。」
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