4.忍び寄る魔の手

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「で?あれは事実か?」 そこは丸の内のオフィス街では逆に古びすぎていて目立っているような昔ながらの喫茶店だった。 入るものちょっと躊躇するくらいの・・・ 足を踏み入れると、一番奥に南井部長が座っており、手招きされた。 「何のことでしょう?」 あくまでもしらを切りとおす。 「知らないのか?昨日当社の社長宛にある1枚の写真が送りつけられてきた。キミらしき女性がホステスとみなしき恰好をしてそういうお店で接客している写真だった。」 「なんですか?それ。あまりおっしゃってることが理解できません。わたしがホステスをしているといいたいんでしょうか?」 「送り主はそういいたいらしい。ホステスをしているような女性を開明に置いておくのはおかしい。開明の価値がさがるとか書いてあったらしい。」 「ちょっと待ってください。それは社長に送りつけてこられたんですよね?なんとなくですが、朝出勤したとき管理部の誰もがそれを知っていたような気がしますがなぜ皆知っているのでしょう?」 「ん?それもそうだな。」 南井部長がきょとんとしている。 「本田さんが銀座に出勤した方がいいとか言ったのは今思えばそれを知っていたということですよね?」 「そうだな・・・社長はごく一部の幹部にしかこれは言っていないはずだからな・・・」 「そんな秘密事項を管理部全員が知ってるなんて、誰かがわたしを陥れようとして噂をばらまいてるってことですよね?ひどい・・・。」 わたしはちょっと悲しそうな表情をしてうつむいた。
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