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「目的とか犬になれとかさ、俺になんかお願いしたいことでもあんの?」 「ま、そうなるかな。犬は流石に嘘だけど本気で仲間が欲しくてさ!」 「へー俺を仲間にしたいとか結構切羽詰まってんだ?」 石造りの段。さっきまで親友と並んで座ってた所に腰を落ち着かせて俺はちょっと驚いた。 すれば隣に座ったパパラッチくんは右見て左見て上見て下見…ないで目を閉じて、また目を開けて視線を合わせてきた。 めちゃ焦らすじゃん。 「七不思議知ってるだろ?」 「うん全く! なんならさっき初めて知ったし…親友知ってる?」 「知らない」 「だよねー」 噂話に疎い俺らだからなのかもだけど。 …意外だったのか赤茶の目が丸くなってら。 知ってる前提で話してきたんだろうけど俺らガチで噂ごとも何も知らない情弱共。 「かなり予想外の反応だけど一旦置いとくわ。俺って新聞部員でオカルト部の一員じゃん?」 同意求められて思わず首肯したけどオカ研入ってんのも知らなかった。 …あ、だけどあそこ幽霊部員が殆どって会計サマが言ってたっけ。 そう思い出して俺は即座に察した。 「七不思議解明手伝ってくんない?」 「この流れ的にそれしかないよねーーー!!」 ワッと的中してたことに喜びつつ、その反対に待ち構えているホラー展開にワッ(恐怖)とした。 死ぬて。死んじゃうて! 反対隣でふよふよ中の親友を見たけど、全集中してるみたいで話しかけらんないフインキ…。 ガシッと両肩を掴まれ、強制的に再度向かい合う形にさせられた。 「なあ奇戸お願いだよ! マジ困り果ててんだよ…メンバーも幽霊部員ばっかで手伝ってくんないし…」 「ウッ」 台風の日に捨てられた大型犬みたいな目で見つめられて天秤が一気に助けたい方へと傾いてしまった。 それでもやっぱ怖いから唸ってると、パパラッチクンは更に目をうるうるとさせてきて俺は落ちた。 「わかったよ…! 俺に出来ることなら手伝、」 「奇戸ならそう言ってくれるって信じてた! 先に言っとくと五番目の仮面の生徒しか明かしてないから、まずはこれから七不思議を探してこうな!」 「…え、…え?」 「俺今年オカ研に入ったばっかで実のところ何にも知らないんだよ。それに部活メインだし同人誌作り手助けしてるしで時間なくて!」 なはっと爽やかな笑顔で笑いかけられ、俺は口から魂が出てないか手を当てて確認した。 出てた。
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