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花紺青《はなこんじょう・プルシアンブルー》
里華と再会したのは、大学のサークルの同窓会だった。
3つほど年下だった彼女との学生時代の接点はほぼない。笑顔の可愛らしい、優しい雰囲気の女性だと思ったことを覚えている。
すでに結婚をしていた僕は、もちろん彼女に恋をできる立場ではなかったのだけれど。
それでも、もっと彼女のことを知りたいという気持ちを意識したとき、すでに僕たちの物語は始まっていたのかもしれない。
後悔してる?と、小さな声で里華が聞く。
してない、と言い切って静かにその身体を抱き寄せる。
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