第①話 祖父からのプレゼント

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ククルカンは大きな機体に反して、 コクピットは6歳児のあきらに合わせたためか狭かった。 そこに無理矢理孫をブチ込んだ水戸博士は、 そそくさと自分は外に出ていった。 椅子に座ると球体のモニターがコクピットを覆っていて、 全方向が表示される事が解る。 「どうするのこれ~!? 僕自転車にも乗れないんだよ~!」 戸惑うあきらに、 モニターに拡大表示された水戸博士はこう言った。 「自転車どころか三輪車より簡単じゃ! 両側にあるレバーを握りボタンを押して叫べば、 後は自動でなんとかなる! 今は発射準備と言うのじゃあ!」 「えっ~と・・発射・・準備?」 そう言うと目をつぶっていたククルカンが目を見開いた。 眠りから覚めた様な起動するククルカンの目は、 燃え盛る朝の太陽の如く赤かった。 そして背中には黒い炎状のエネルギーが鬣の如く走る。 起動したククルカンを乗せていた台座は立ち上がり、 横たわった機体をロケットの如くそそり立てた。 東京スカイツリー以上の高さに、 開発した水戸博士も満足げに見上げている。 台座は立った状態のままゆっくりスライドし、 格納庫側面にある発射台とドッキングした。 それは希望が詰まったロケットでなく、 絶望を込めた核ミサイルの様だ。
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