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序章
とある世界のかたすみに、『竜人族』という亜人種の住む村があった。
彼ら竜人は、怪物並の高い身体能力に加え、人間同様の高い知性を持つ希少な種族だ。
その多くがハンターとして、村を守るために日夜戦っていた。
「――ギャオォォォォォンッ!」
荒々しい野獣の咆哮が森中へ響き渡る。
ジリジリと頭部の角に雷を溜め、獰猛な牙を光らせる猛獣。筋骨隆々な四肢に紫の剛毛を纏い、四足歩行している全長三メートルのモンスターの名は『べヒモス』。
竜人の村近傍の森に出現する凶暴なモンスターだ。
「「「――はぁぁぁっ!」」」
鋭い牙と荒々しい戦意を向けられながらも、四人の竜人が立ち向かう。
双剣使いの男と長剣使いの青年が左右から斬りかかり、後方から矢が放たれる。
べヒモスは、左右からの斬撃を強靭な爪で払い、飛来する矢は身を反らしてかわした。
そして反撃とばかりに、勢い良く斬りかかってきた長剣使い『ウィルム・クルセイド』へ噛みつく。
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