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「ウルフマンがまた来たぞ!みんな構えろ!」
村人の叫び声がする。
前にウルフマンが来てから1ヶ月ほど経った。
村人たちの実力はそれほど強くはないが、臨戦体制は様にはなっている。
まぁ、勇者一行がだいぶ回復しているので、俺がいなくてもあの犬兄弟には負けないだろう。
村人たちは鍛えた成果を出そうと意気込んでいたが、それとは裏腹にウルフマンの方には戦意がなかった。
「ザイード様!お助けください!
新魔王が血脈主義かつ酷い奴で、俺らとか他の魔物がザイード様に負けてるのを良い事に、人間に負けるなど魔物の恥だと、俺らを殺そうとするんです!」
ウルフマンたちはキャンキャンと俺の足元で懇願した。
「お願いです。ザイード様。あの新魔王の代わりに魔王になってくれませんか?」
俺は口からは欠伸が出た。
(了)
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