人材育成、はじめました。

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◆ <魔王が死んだ> 噂好きの妖精たちが煩く騒ぎ立てる。 きっと人の国まで、もうこの噂は届いているだろう。 さて、今後の魔の国と人の国の関係はどうなるのか? 面倒な疑問のせいで出る欠伸を噛み殺し、ガタンガタンと台車を引いてひた歩く。 魔王が死んでから約2日。 もうすぐ国境となるこの森を抜ける。 「ん、う〜ん……」 台車から聞こえる呻き声。 俺の計算通りなら彼らももうすぐ起きる頃だ。 森を抜けると、遠くの方に人影が見え、そいつは奥の村の方に一旦消えたが、その後わらわらと人がやってきた。 「お前は誰だ?」 「よく魔の森から出てきたな」 「魔王が死んだというのは本当なのか?」 それぞれが騒ぎ立てるので、どれに言葉を返すか迷う。言葉を返すのも面倒になって、思わず欠伸が出る。 そんな俺を人々は怪しそうに眺めて、そして台車の上の荷物に目を向けた。 「彼らは、勇者様方ではないか!」 「勇者御一行だと!?」 村人たちが一際騒ぎ出すので、台車の上の勇者とその仲間たち三人も目を覚ます。
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