朱に交われば赤くなる3

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 津山くんが狼谷くんの肩を組んで、二人が揃って歩き出す。  その背中を眺めていると、横から脇腹をつつかれた。 「ねえちょっとちょっと。いつから狼谷くんと挨拶するほど仲良くなったの?」  カナちゃんが訝しげな顔で聞いてくる。  私は思わずため息をついて、前から横に視線を移した。 「前も言った通りだよ。友達だからね……別に特別仲良いわけじゃなくて」 「いや、だってあんなイケイケのスクールカースト上位層が私たちに挨拶するなんて天変地異でしょ」  そんなんで勝手に天変地異を起こされたらたまったもんじゃない……。  カナちゃんの発言にそんな感想を抱いていると、あかりちゃんが口を挟む。 「私たちっていうよりかは羊にだけだったけどね。羊以外はちらりとも見てなかったよ、あれ」 「あれって言わないの! 指もささない!」  怖いものなしなのかな!?  あかりちゃんの人差し指を叩き落として、ようやく一息ついた。  確かに狼谷くんとは委員会が同じだから、他の人より関わる機会が多いし仲は良い――と、思う。  ただ本当にそれだけというか、それ以上でも以下でもない。  私は友達で、カナちゃんとあかりちゃんはクラスメート。それだけの違いだ。
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