5月末 小さな嫉妬ともう一人のいたずらっ子

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……omi……omi……omi…… 角から現れた二人が幽霊でも見たような顔して立ち止まった。 …お手て繋いで登場かよ。 そう思って見つめた視線の先で、手を離そうとするアイツの手をが握り直したのがわかった。 おかげでアイツは前のめりになって体勢を崩した。 そのせいで結局二人の手は離れた。 「…どういうこと? なんでオミオミがこんなところにいるの!?」 「…ガキが来るところじゃないってことくらいわかるだろ?」 俺が答える前に男が言った。 俺は男の方は無視することにした。 「…お前はなんでこんなとこにいるんだよ?」 俺が言うと、アイツは一瞬黒目を泳がせ、そして床の絨毯へ目を伏せた。 「なんでって…少し…お酒を飲みに」
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