傷だらけのラブ

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傷だらけのラブ

かけ布団から出てる右手は 手首まで包帯が見えて 私の好きな手にも 小さいけれど擦り傷がいくつもあった。 ……どれだけ痛い思いをしたの……? 高速道路の事故は後が怖いって言うけれど あなたはいつもそんな危ない事と 背中合わせでいるんだね。 思わず擦り傷だらけの右手に そっと自分の両手を重ねた。 ──あったかい。 生きてる証拠の温かさ。 少し手を握ってみたら ゆっくりと山下さんの目が開き その目が私へと向けられた。 「……山下さん……」 「……なんで……? え……? ……夢なんか……? 」 首を横に振って 「………夢じゃないよ」 私はまた山下さんの手を握りしめた。
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