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 ルイは頭蓋に食い込むザンの指を離そうと踠く。 「おい!ザンとか言ったな!お前……女に興味がないなんて、どういう事なんだ?それでも高位結鬼か?!」 「うん。どうやら俺は規格外らしい。結鬼より、人間の方が好きだ。だから、男だろうが女だろうが結鬼は全て滅んでもいいとさえ思っている」 「なんだと?!」  ルイの背筋が凍った。ザンの目が冷たい赤光を放つと、ルイの首筋に妖しい吐息がかかる。  ルイは慌てて、自分の頭蓋を両手でぶっ叩き、破壊した。それと同時に前屈して、ザンを振り払う。  ルイは何とかして、ザンの手を逃れたが、自身で破壊した頭蓋と脳は瞬時に再生することが出来ず、そのまま地面へと墜落していく。  岩場に全身を打ち付けたルイの体は、そのまま山の傾斜を転がっていった。そして、クレバスのような、岩場の裂け目に、その体は吸い込まれた。
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