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結局ブランチの時間だからというので、昼飯も兼ねてステーキになった。
500gの分厚いステーキを切り、彼は満足そうに一切れ一切れ味わいながら、その合間に話をする。
「まぁ、夢見が悪くないというわけじゃないが、別におかしな夢でもないというか」
「んだよ、歯切れ悪ぃな」
俺は200gにした。寝起きが良くなかったせいか、まだあまり胃が動いていなかったから。
「そのな、お前とあいつがいっしょにいる夢を見たんだ」
ようやく白状したのは、500gが200gくらいに減った頃だった。
「あいつ?」
夜中のことが頭をよぎり、ドキッとする。
「ああ、元俺のパートナーのあいつさ」
そのドキッとしたのが、頻脈みたいに何度も繰り返される。
「へー、あー」
ちょっと声がうわずった。ある意味正夢みたいなもんじゃねぇか。
「すごく仲良さそうにしてたんだぜ、夢だから普通に受け入れたが、そんなことありえないのにな」
「んー、そうだな、うん」
夜中にコテージを抜け出して、本当に会っていたなんて言ったら、信じてくれるだろうか。それとも腰を抜かすだろうか。
とりあえず曖昧に笑ってやり過ごしたけど、彼はその笑い顔すら俺が不快に感じていると思ったらしく、後から思い切り取り繕われた。
【すみません、公開の手違いがありました!】
【次回は25日8時更新です】
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