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◆
数日後。
美菜の元にナカから手紙が届いた。
ナカは代々続く名家の令嬢、というか既に当主であり、あの場もオカルト的な部分は権力と財力で隠して場を収めていた。
そして美菜の真珠を少しずつ売りに出し、その売り上げ金は全て寄付に回してくれている。
その寄付先からの感謝の手紙を少し送ってくれたのだ。
その手紙を読んで、涙が出そうになったが、ぐっと堪える。
これはグレイム・マスカトリスが見せた夢。
いつかあの真珠を売り尽くした時、今度は私自身の力で誰かを助けよう。
あの人たちの事も助けられるだけの力を得よう。
その時まで、泣いてる場合じゃない。
(了)
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