私の涙はいくらですか?

16/16
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
◆ 数日後。 美菜の元にナカから手紙が届いた。 ナカは代々続く名家の令嬢、というか既に当主であり、あの場もオカルト的な部分は権力と財力で隠して場を収めていた。 そして美菜の真珠を少しずつ売りに出し、その売り上げ金は全て寄付に回してくれている。 その寄付先からの感謝の手紙を少し送ってくれたのだ。 その手紙を読んで、涙が出そうになったが、ぐっと堪える。 これはグレイム・マスカトリスが見せた夢。 いつかあの真珠を売り尽くした時、今度は私自身の力で誰かを助けよう。 あの人たちの事も助けられるだけの力を得よう。 その時まで、泣いてる場合じゃない。 (了)
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!