出来損ないのエピローグ

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出来損ないのエピローグ

 子供の時から泥棒になることがあった。  いつかのかくれんぼ、七月七日の催涙雨。  死んだ子の歳を数える母親、伝えられなかった恋心、 真夏のオリオン。  皆、いなくなってしまった。  忘れられてしまったのだろう。小さな僕は、そう思って気にも止めなかった。  だからその「事件」は、僕の人生を大きく変えた。
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