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ご飯を食べてきっちり外出準備をした後、行きつけのこじんまりとした病院へと向かう。
父さんが昔からお世話になってるじっちゃんが院長先生でその孫の柚貴先生が俺の主治医のこの病院は、いつ来ても我が家みたいな安心感があって好きだ。
『・・・はい、採血終わったで。注射痕の上を押さえて1分くらい待っとってな。検査結果出たら呼ぶけど・・・もうだいたい分かっとるでな?』
『まぁ、一応。』
『侑萊君が嘉月君のために“α”でいたいってのは、“Ω”の本能が開花した今ではかなり難しいものだけぇな。灯璃さんが作った薬のおかげで何とかΩの匂いは抑えられとるけど、思春期を過ぎてからの体の変化は誤魔化しきれん。・・・嘉月君のことだけを考えるんじゃなくて、自分のことも考えるだで?』
まるで本当の兄貴みたいに俺を心配してくれる柚貴先生に、俺はついつい笑ってしまった。
同じΩとして随分気にかけて貰ってると知ってるからこそ、こうやって俺は笑えてる。
口では素直に言えないけど、柚貴先生が俺の主治医で本当に良かった。
・・・だからこそ。
『俺は“α”として生きる。その道が茨道でも、俺は絶対諦めんけぇな!!』
『・・・はぁ。侑萊君ならそう言うと思っとった。けど、ほんっとに無茶せんだで!?』
『分かっとる。・・・柚貴先生、ありがとう。』
『あぁ、もうっ!!最近は透明のプロテクターとかも発売されとるし、灯璃さんも侑萊君のために新薬を開発しょーる。“α”として生きるんなら、徹底的に隠し通さないけんで?』
『っ。うんっ!!』
指切りげんまん、と子供のように約束をして一旦診察室から出る。
診察室に1人取り残された柚貴先生が、
『・・・見た目と能力はほとんどαなのにΩ率100%、か。出来る限りはフォローするつもりだけど、やっぱり心配だ・・・。』
と呟いていたことに、俺が気付くことはなかった。
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次話から攻め目線入ります!!
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