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その後
半年があっという間に過ぎた。
「友美、なに悲しそうな顔して」
「引き継いできた」
「また力をもらったの?」
「んなわけないじゃない。あんなのもうこりごり」
「じゃ、引き継いだって何よ」
「次の女に引き継いできたのよ。あのフェチ変態、許さない」
「今夜、飲みに行こう」
「え?だって私は美姫にあんなことをしたのに」
「女は怖い。怖いくらいに強いのよ」
「確かにね。ありがとう。飲み、お願いします」
私はニヤニヤしながら「それ以上、太らないようにね」と呟く。
「食べても太らない人が羨ましい」
友美は3本目のコーヒーを飲み干す。
ブラックでも、微糖でもない。
「ちょっと電話してくる」
「美姫、別れた女を前にしてよく言えるわね。大企業のエリートくんは元気?アラサーが大学院生をたぶらかすなんて、犯罪よ」
「元気よ」
「で、式はいつになったの?」
「来年末かな」
「うらやまっ」
「友人代表のスピーチ考えといてね」
「え?私?どんだけ、あんたら図太いの?」
私は彼女の肩を叩いて言う。
「だ、か、ら、女は怖いのよっ」
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