第2話 動揺

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        2  中学生として参加する、最後のコンクールの全国大会。  控え室で、アキラは一人瞑想(めいそう)を試みていた。  (だめだ。このままだと、入賞すら危ういかもしれない)  あの電話のあとから、宙ぶらりんの精神状態が続いていた。  なんのためにコンクールに出ているのか?  どうしてピアノを弾いているのか?  (ボクは、なんのために……)  「アキラくん……?」    アキラの思考を打ち破ったのは、少し震えた声だった。  目を開くと、紺色のドレスに身を包んだ同い年くらいの女の子が立っていた。  「アキラくんだよね……? 私のこと、わかる?」  「……道歌ちゃん?」  目の前に立っていたのは、3年前まで連弾のパートナーとして音楽を共にした藤友(ふじとも)道歌(みちか)、その人だった。
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