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「林先輩が聞いたら泣くわね……」
「仕方ないじゃない!直接の先輩だし仕事の話だって言うから食事付き合ったら、いきなり手を握ってきたんだよ!?」
「26にもなって……。幼稚園生でも手ぐらい繋ぐわ」
「大人は違うから!セクハラ?パワハラ?じゃないの?」
「苦手な人からされると、そうなるか……。先輩のこと苦手なの?」
「苦手というより、凪君以外、身体が受け付けない。他の人だと冷汗と蕁麻疹が……」
「困った体質ね。……ソレ、彼に言ったことある?」
「……無い。凪君、中学の頃から私と室内で二人っきりには絶対にならないし、近付こうとしても絶対に距離取られる……」
「もうそれ諦めた方が良くない?」
「『諦めたら終わりだ!』って言うじゃないっ!」
「努力する方向が違う!待つ時間は終わったの!栞に残された道は、告白して玉砕するか諦めるかしかないのっ!」
「究極の2択……」
「ま、既に結果は出てるわね」
「酷い……」
「今まで気持ちを隠すだけ隠して何の行動も起こさなかった結果だから。それなら指咥えて見てることね。その彼が他の女のものになるのを」
オブラートに全く包まない指摘はグサグサと私に突き刺さる。
「い、嫌ぁ……」
私はゴツンっと机に頭をぶつけた。
「それにしても、何故そんなに栞のこと彼は避けるのかしら?」
不思議そうに咲は呟いた。
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